仕事の聖化とは(III)

2023年2月、ローマにて行われた属人区長フェルナンド・オカリス師による仕事の聖化についてのクラスの内容を連載します。

これまでのクラスの内容

あらゆる誠実な仕事

ここまでの考察は、慰めを与える一つの結論を導きます。それは、あらゆる誠実な仕事は重要であるということです。なぜならそれらは、神への愛と他者への奉仕という超自然的動機によって行うことができるからです。すべての仕事は(それが大きかろうが小さかろうが、人間的に重要であろうが、そうでなかろうが)、キリストとの一致の材料、一致への道になります。私たちのパドレは言いました。「私は、肉体労働者の仕事と共和国の大統領の仕事、どちらがより重要かを知りません。それは仕事に伴う神の愛次第です」(聖ホセマリア、説教メモ、1967年2月6日)。仕事によって生じる結果や影響という観点から見ると、二つの仕事は異なります。しかし「永遠の命において永続するもの」「本人にとっての意味」という観点から見ると、労働者の仕事の方が共和国の大統領の仕事よりもずっと多くの価値があるということがあり得ます。

創立者は、仕事の聖化を実現する超自然的動機は愛であるとよく繰り返していました。「仕事の尊厳は愛に基づいていることを忘れずにおきたいものです。愛する能力は人間の特権であって、この能力のおかげで、私たちははかないもの過ぎ去るものを超越することができます。人間は自分以外の人々を愛し、あなたとか私とか、互いに呼び合うことができるのです。そして神を愛することができます。神は天の門を開き、私たちをその家族の一員とし、顔と顔とを合わせて親しく語り合うところにまで高めてくださるのです」(『知識の香』48番)。聖ホセマリアが終いに天について語るこの言葉を耳にした私たちは、仕事の尊厳は愛に基づいていることを忘れないようにすべきです。神と他の人々への愛に動かされ、神と他の人々への愛によって形作られるとき、仕事は聖化されます。

このコンテクストにおいて、私たちは一人で働いているのではないということを考えることも魅力的で喜ばしいことです。主が私たちとともにおられます。愛は一致へと導きます。愛は私たちを神と一致させます。その神は、恵みによって、すでに私たちの命のうちに入り込んでおられます。ですから、私たちが神に仕事を捧げるだけではなく、神が私たちとともに働いておられます。私たちが働いている間、私たちは神の道具となっています。私たちが仕事を聖化すればするほど、それは神の仕事になります。それゆえ、創立者はオプス・デイは、オペラチオ・デイ(operatio Dei、神の仕事、神の働き)であると、好んで言っていました。私たちが〈すること〉はすべて神の仕事です。なぜなら神も私たちとともに〈してくれる〉からです。私たちは神の御手のうちにある道具です。

このことは、物事がうまく行かなかった時や仕事を捧げることを忘れてしまった時に、私たちに大きな安心感を与えてくれるはずです。なぜなら私たちはこの素晴らしい教えを知っているからです。その教えを十全に生きることができないことがあるかもしれません。しかし大丈夫です。がっかりせずに戦わなければなりません。Nunc coepi!、今、始めます。そして決して一人ではありません。私の仕事は神の仕事です。