内的に成長をする

新型コロナウィルスの感染が広がっており、多くの国の政府機関は市民に対して社会活動を可能な限り減らし、自宅にいるように要請しています。この記事は、このような異常事態にどのように対応するかについてのアイデアをいくつか提案するものです。

この数週間、新型コロナウィルスの感染拡大が問題となっており、世界の多くの地域で、感染数を抑え医療の崩壊を避けるための対策を進められています。入院、自宅療養、隔離状態に置かれている人たちがおり、テレワークやテレスクールを活用している人たちもいます。子どもや孫の面倒をみる時間が増えたり、経済的に見通しが立たなくなり不安に直面している人たちもいます。このような状況の中では、最新のニュースを知ることばかりに囚われてしまうようになりがちです。

しかし、現在のの明らかな不活動状態はまた、より深刻な影響を受けている人たちと祈りで連帯し、この状況を変えるために一所懸命に働いている医療従事者、政府関係者及び、その他の人々や機関を念頭において、市民の義務を責任をもって果たし、時間を有効に活用する機会でもあります。

教会の一つの組織であるオプス・デイは、仕事、家庭、友情などの日常の状況において、普通の人が神様を発見する手助けをしています。私たちが今経験している状況は、いつもの状況とまったく異なるものですが、聖ホセマリアは、神様は悪からも善を引き出すことができるのだから、全ての物事の背後に神様の愛の手を見るようにと、教えていました

外出自粛状態に対応する10の秘訣

最近の不確実でやむを得ない休止状態は、落胆、退屈、不安、恐れを容易にもたらします。以下は、戦争によってまったく身動きが取れなくなった時に、聖ホセマリアが与えた助言の応用です。皆さんにも役立つことを願っています。

1 楽観的であること

神はこの状況を何かのために許しているので、超自然的な見方、ユーモア、希望を持って過ごすようにしましょう。

2 スケジュールを設定する

時間を有効に活用するためのスケジュールを作成します。 充充実した日々を過ごしましょう。

3 時間を無駄にしない

スマホやインターネットの使い過ぎによって「時間を浪費」しないように。

4 新しいことを学ぶ

「今日」は、新しい外国語を学び始めたり、レシピを試したり、しばらく休んでいたオンラインコースを開始したりするのに良い日になるかもしれません。

5 趣味を行う

この機会に趣味を行いましょう:音楽、読書、執筆、スポーツ(屋外が良い)等。

6より穏やかに祈る

肉体的な休息の時間は、私たちが望むなら、大きな内なる成長の機会になる可能性があります。

7良い会話をしよう

近くにいる人と、または電話とビデオ会議のおかげで、遠くにいる人と近くにいる人と、または電話とビデオ会議のおかげで、遠くにいる人と。

8 隣人を助けよう

あなたの周りの人々を支えよう:恐怖と退屈はすごい誘惑です。 あなたより傷つきやすい人が必要としていることに気づくようにしよう。

9 冷静になろう

物事の悲観的な側面ばかりに目を向けないで。あなたの周りのすべての善いことに感謝しよう。

10ごめんなさいと言おう

外出自粛中は他の人と一緒に過ごすことがしばしば困難になるため、摩擦が生じた場合はその人に必ず償いをしよう。


歴史からの教訓

1937年4月、聖ホセマリアは同様の孤立状態を経験しましたが、それはもっと過酷なものでした。

スペイン内戦の勃発により、彼はマドリードのホンジュラス公使館に避難することを余儀なくされました。彼は弟サンティアゴとオプス・デイの4人の若いメンバーと一緒に4か月間、そこに閉じこもり、ほぼ百人の人と1つのバスルームを共用し、2~3枚のマットを数メートル四方に敷き詰めて使っていました。

その時の同伴者の1人であるエドワルド・アルストゥルエは、当時の雰囲気について次のように説明しています。

「ある人々は、落胆と悲惨さについて静かに思いめぐらしていました。 他の人たちは、現在と過去の両方の経験について辛辣なコメントをすることに安心を求めました。他の人たちは、家族の問題、失った仕事や事業、または不確実で脅かされた未来について絶えず嘆き悲しみました。これらの感情は、過去の苦しみと迫害によって引き起こされた恐怖、私たちの避難所の外側の世界を完全に住むことができないようにした恐怖と交じり合わされたものでした。場合によっては、敵に対する憎しみがこの恐怖に結びついていました。この憎しみは今のところ実行することができませんでしたが、いつか復讐して満足することを望んでいました」。

対照的に、聖ホセマリアが自分の周りに感じさせた雰囲気は前向きで希望がありました。一日をうまく過ごすために、神と話す時間、勉強すること、フランス語、英語、ドイツ語など外国語を学ぶこと、家族として一緒に過ごす時間を含むスケジュールを立てました。

その年の7月、彼と一緒にいた人たちに説教をしていた中で、聖ホセマリアは、 「私の生活は今とても単調だ!」 と語り、次のように教えました。

「この強制避難の真っただ中で神の賜物を結実させるにはどうすれば良いのだろうか?あなたは雪に覆われた火山のようであることを思ってください(...)。外側は、確かに、単調で暗闇という氷があなたを覆ているかもしれません。外からは閉じ込められているように見えます。しかし、内部では、火があなたの中で燃え続けることを止めません。また、熱烈な内部の活動によって外的活動の欠如を補い続けることでしょう...」


『道』249:作物は雪に覆われて見えなかった。畑の持ち主である農夫は、「今は内に向かって成長している」と、嬉しそうに言った。
私は、あなたのことを考えた。やむを得ず活動を中止しているあなたを…。
答えてごらん。あなたもやはり内に向かって成長しているのだろうか。


新型コロナウイルスによる緊急事態についての属人区長の手紙