思いもよらない偉大さ

「聖ホセマリアは、誰もが聖性に召されていること、毎日の生活・普段の活動が聖化の道になることを人々に告げ知らせるために、神に選ばれました。日常的なことがらの聖人と呼ぶことができます。事実、信仰を生きる人にとって全てが神との出会いの機会となり、全てが祈りへと導く機会になることを確信していました。このような見方で日常生活を見ると、思いもよらない偉大さが見えてきます。聖性は本当に全ての人の手の届くところにあるのです」。聖者ヨハネ・パウロ二世

オプス・デイに所属する信者の福音宣教のための働きは、家庭と職業、ひいては社会全般にキリスト教的な活気を与えるようになります。その働きは、神の恩恵によって、結果的に地方教会にも益をもたらします。すなわち、感謝の祭儀やその他の秘跡に参加する人が増え、信仰があまり感じられないような所にも福音がもたらされ、恵まれない状態に置かれた人々を援助する連帯的なイニシァティヴが生まれ、司教及び教区の司祭とのより緊密な一致が促進されることなどを挙げることができます。

福者ヨハネ・パウロ二世はこう言われました。「皆さんの理想はまことに偉大です。皆さんは最初から、第二バチカン公会議とその後の教会の特徴となった信徒神学を先取りしました。オプス・デイ

の教えと霊性は、世の只中で神と一致して生き、どのような状況にあっても、一人ひとりが神の恩恵に助けられて自らをより良くするよう戦い、自らの生活の証しをもってイエス・キリストを広く人々に知らせることです」

全てを数え上げることはできませんが、オプス・デイの精神の特徴として次のような点を挙げることができるでしょう。霊的生活の基礎としての神との父子関係、教会に現存なさるイエス・キリストへの愛、聖体と神のみことばにおいて神と出会うこと、聖なるミサをこの世に生きるキリスト教的生活の中心と根源にしたいという望み、聖母マリアに対する愛、教皇と教会の位階に属する人々に対する従順、愛徳と理解する心をもって仲よく生きること、キリストに従う生き方から生まれる喜び、日常生活の様々な面を信仰と首尾一貫した生き方に組み入れる生活の一致、神への愛と奉仕の心でできる限り完全にやり遂げることによって得られる専門職の超越的な意味、一人ひとりの自由と責任への愛、などです。

カトリック信仰をとことん生きる努力があれば、各自の可能性に応じて、社会の諸問題解決に貢献するために具体的に何を、どのようにすればいいのかについて、考えるはずです。聖ホセマリアは次のように書いています。「キリスト信者であれば、自分と家族の生活を支えるに足る仕事をするだけで満足しているわけにはいきません。愛徳と正義を考えつつ、寛大な心に促されて、人々を助けるためにも働くようになることでしょう」。このような要求に応えることが、オプス・デイに所属するメンバーと協力者が取り組むべき義務なのです。