ドラは家庭的な雰囲気作りが上手だった

ドラさんと一緒に働いたオーストラリア人の思い出。

ドラは何よりも家事を愛し、高いプロ意識をもって黙々と励み、自分を忘れて人々に仕えました。これはもっとも素晴らしいことだと思います。

彼女と一緒によく仕事をしましたが、特に配膳室の係になった時に実感したことです。180人のための食堂でしたから、お皿の数も相当なものでした。午前中、よく私が食器を洗い、ドラは拭いて片づけていました。それを、信じられないくらい見事なやり方で済ませるのです。自分の居場所で、自分の役目を果たしているに過ぎないと納得している人の姿でした。

自分の仕事を熟知していましたから、仕事に関しては厳しい人でした。非常に若い時からこの仕事に携わっていたので、経験豊かで、サービス業の手際をよく心得ていました。どのように愛をこめて働くのかということを教えてくれました。少人数の家では簡単にできますが、多人数が住む寮で家庭の雰囲気をつくり出すのは戦いに挑むようなものです。

世話を任されている人たちのことを考えながら、いつも、根気よく愛情をこめて仕事をしていました。おそらくその人たちのためにしていたのでしょうが、より高い意向があるため働いていたはずです。多くの人が家庭を見失っている現代社会であるからこそ、ドラは、家庭を作ることが大事であるという聖ホセマリアの教えを固く信じていました。世界中の全ての人が成長するために最も重要な場である家庭の世話、つまり家事の重要性を伝えることは、この世での幸せにつながるものと信じていたからです。

パウラ・アッセン

(オーストラリア)